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保育園の口コミが無断転載。高まる”純粋な口コミ”の重要度

2024/12/02

NEWS

保育園の口コミが無断転載。高まる”純粋な口コミ”の重要度

とある保育士向けの職場紹介サイトの口コミが、別の口コミサイトから無断で口コミを抽出、生成AIによって一部を修正して転載していたとして話題となりました。

今回はこの問題について、実際に用いられた「スクレイピング」という技術にも触れながら解説していきます。

概要

東京都渋谷区にある保育士向けの職場紹介サイトを運営する会社が、
保育園に関する口コミを別の保育園紹介サイトから無断で転載していたとして、ニュースで取り上げられました。

同会社は無断転載に「スクレイピング」という技術を用いていたほか、
生成AIによって収集した口コミの表現を変えるなどして、自社サイトに掲載したとされています。

参考:保育園の口コミ、無断転用 スクレイピングしAIで改変 渋谷の会社

スクレイピングとは

スクレイピングとは、「こする」や「けずる」を意味する「scraping」から派生した言葉で、
特定の目的のためにサイトやSNSのデータから必要な部分を抽出する手法を指します。

スクレイピングでは、「特定の商品の価格」「検索の順位」「評価・評判」など、何を抽出したいのかを決めた上で、
その情報がWebサイトやデータベースのどの部分に記載されているのかを突き止め、
情報が記載されている可能性のあるページなどを自動的に周って情報を抽出します。

スクレイピングは、人力よりはるかに早く正確に欲しい情報を収集できるため、非常に便利な一方で、
誤った使い方をすると法的トラブルに発展する恐れがあります。

ここではその一例を挙げます。

著作権の問題

スクレイピングするデータが著作権で保護されている場合、そのデータを無断で利用することは著作権の侵害になる可能性があります。
一部の例外はありますが、商業利用のためにスクレイピングを活用する場合には注意が必要です。

利用規約の問題

多くのWebサイトは利用規約でスクレイピングを禁止しており、サイトの利用規約に同意した上でスクレイピングを行うと、
規約違反として最悪の場合、民事上の責任を問われる可能性があります。

今回の問題点

本件では、スクレイピングによって得た口コミを生成AIによって修正することで、
著作権法に抵触しないようにした、と代表者は話していました。

しかしながら、今回のケースは複製権の侵害に当たる可能性があり、
本来の口コミではない口コミを偽って掲載する行為は、不正競争防止法や景品表示法への違反となる可能性があります。

また、消費者がサービスを判断する上で重視される口コミが、不正かつ大量に生み出されることで、
正規の口コミの信頼性を損なってしまうという問題点もあります。

まとめ

口コミに関するニュースが注目される背景には、消費者の購買行動や意思決定において、
口コミの影響力がこれまで以上に増していることが挙げられます。

特に近年、多くの店舗やサービスが利用する「Googleクチコミ」は利便性が高い反面、
知らず知らずのうちに違反に繋がる行為をしてしまうリスクもあります。

こうした違反の落とし穴については、過去のコラムで詳しくご紹介していますので、
ぜひ一度お読みいただき、対策に役立ててください。

過去コラム『それ、実はアウトかも?Googleビジネスプロフィールのクチコミを増やす方法』

数あるクチコミ媒体の中でもメジャーとなってきているGoogleクチコミを増やす方法と、
多くのビジネスオーナー方がやりがちな注意点について解説しています。

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