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10月~施行される景品表示法のポイントをおさらい!

2023/08/17

NEWS

10月~施行される景品表示法のポイントをおさらい!

2023年10月から施行されるステマ規制に関する法改正について注意すべき点をまとめてみました!
公式SNSを運用されている、既に運用中のアカウントをお持ちの場合どのような点に注意すべきか、どのような投稿が違法となるのかをご紹介します。

ステルスマーケティング(ステマ)とは?

ステルスマーケティング、通称ステマは、自社とは無関係の第三者が自社の商品やサービスを広告する手法です。これには、芸能人、インフルエンサー、一般消費者が利益を提供され、商品やサービスについて好意的な情報を発信するケースが含まれます。しかし、広告であることが隠されています。英語では”stealth marketing”と呼ばれ、その名の通り、広告が隠れて行われることから来ています。

2023年10月からステルスマーケティングは、景品表示法による規制の対象となります。具体的には、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」として不当表示規制の対象に含まれます。

景品表示法に基づく広告表示は、不当表示に該当すると消費者庁や都道府県による措置命令の対象となります。この不当表示には、優良誤認表示、有利誤認表示、特定の事項に関する誤認表示の3つのカテゴリーが含まれます。指定告示に該当する表示として、これまでさまざまな広告が対象になってきましたが、ステマも新たに「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」として指定告示の対象に追加されました。

ステルスマーケティングの問題点と規制

ステルスマーケティングの問題点

消費者にとって、ステルスマーケティングの問題は、広告と第三者のクチコミを区別できないことにあります。広告が事業者によるものと認識すれば、誇張や偏りがあると考え、自分なりに判断できます。しかし、第三者のクチコミと認識すれば、その情報を素直な意見と受け止め、信じることが多いです。

このため、ステルスマーケティングは消費者の正確な情報収集と自主的な商品選択を妨げ、問題視されています。

ステルスマーケティングの法的扱い

2023年9月以前、日本ではステルスマーケティング自体を直接規制する法律は存在しませんでした。ただし、景品表示法において、ステマが不当表示(景品表示法第5条1項、第5条2項)に該当する場合は規制の対象とされていました。

この状況からもわかるように、優良誤認表示や有利誤認表示を伴わないステルスマーケティングは規制の対象外でした。

しかし、2023年10月から、ステマが「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」として指定告示の対象に追加され、ステマに対する法規制が導入されました。

この規制により、ステマは消費者にとって透明性のある情報収集が可能となり、公正な競争が促進されることが期待されます。ステマが違法となったことで、広告業界における透明性が高まり、消費者はより信頼性のある情報を得られるようになるでしょう。これは、企業やマーケターにとって新たな課題となり、業界に革命をもたらすかもしれません。

消費者庁のステマ規制の運用基準

消費者庁は、ステマ規制に関する基本的な考え方をまとめた「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示の運用基準」を公表しています。この運用基準によれば、ステマ規制の対象となる表示は以下の2つの要件を満たす必要があります。

商品やサービスを提供する事業者による表示であること

ステマ規制の対象となるのは、事業者による表示です。事業者がその表示内容の決定に関与した場合、第三者(インフルエンサーやアフィリエイター、一般の消費者)による投稿であっても、事業者による表示として扱われます。しかし、事業者からの依頼による投稿であっても、投稿内容の決定に事業者が関与しない場合はステマ規制の対象外となります。

事業者による表示であることを一般消費者が判別することが困難であること

一般消費者が表示内容全体を見ても広告であることがわからない場合がステマ規制の対象です。たとえ「広告」と記載されていても、その表示がわかりにくい場合、規制の対象となります。消費者庁は、視聴者が認識できないほどの短い時間で「広告」と表示するケースや、表示の末尾に「広告」と記載されていても視認しにくい場合などを具体例として挙げています。

ステマ規制法の違法となるケース

ステルスマーケティング(ステマ)が日本の法律で規制されるようになり、違法とされるケースが明確になりました。ステマ規制は、事業者の表示であるにもかかわらず、第三者の表示のように見える場合を対象としています。以下は、ステマ規制の違法ケースと具体的な事例です。

(1)事業者自身による表示が違法となるケース

事業者自身が行う表示であるにもかかわらず、ステマ規制に違反するケースが存在します。具体的な事例として、以下が挙げられます:

健康食品製造会社の営業社員が、自社サプリメントの新商品をSNSに投稿し、「1ヶ月で便通が改善した!」と宣伝する場合。
一般消費者にとってはその投稿者が事業者であることが分からない状況であっても、ステマ規制の対象となります。

(2)事業者の依頼により第三者に行わせる表示

事業者が第三者に具体的な内容を指示してクチコミやレビューを書かせる行為もステマ規制に違反します。以下は具体的な事例です:

1.事業者がインフルエンサー等に依頼する場合

事業者がインフルエンサーに、宣伝であることを隠して好意的な感想をSNSや口コミサイトに投稿させるケース。
明示的な指示がなくても、インフルエンサーが商品を好意的に宣伝すれば何らかのメリットがあるという事実は、ステマ規制の対象となります。

2.ECサイトに出店する事業者が関与する場合

ECサイトの出店者が、商品の高評価をつける購入者に対してポイントバックを提供するケース。
高評価をつけることと対価を提供する行為が結びついた場合、ステマ規制の適用が検討されます。

3.事業者がアフィリエイトプログラムを用いる場合

事業者がアフィリエイターに、広告と明示せずに自社製品の宣伝を行わせるケース。
アフィリエイターによる広告が、客観的に見て第三者の自主的な意思ではなく、事業者の指示に基づく場合、ステマ規制の対象となります。

4.事業者が他の事業者に依頼する場合

事業者が競合他社の商品やサービスを貶める目的で、他の事業者に対して低評価の口コミを投稿させるケース。
競合他社の商品に対して低評価の口コミを投稿させる行為も、ステマ規制の対象です。

ステマ規制に違反しないよう、事業者と第三者の関係や表示内容に十分な注意が必要です。消費者への正確な情報提供と公正な競争を促進するため、ステマ規制は重要な役割を果たしています。

まとめ

ステマ規制の導入により、ステマ広告の透明性が向上し、消費者はより信頼性のある情報を得ることが期待されます。これにより、広告業界における透明性が高まり、企業と消費者の信頼関係を強化する一助となるでしょう。ステマ規制は、消費者保護と公正な競争促進に向けた重要な一歩と言えます。

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