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Xのいいねが非公開に。ユーザーへの影響は?

2024/06/20

NEWS

Xのいいねが非公開に。ユーザーへの影響は?

4月22日のコラムで触れたX(旧Twitter)の「いいね!」について、6月13日に突如非公開となりました。

今回はいいね非公開について触れていきたいと思います。

いいね非公開の経緯

米Xは6月12日(現地時間)、X上での「いいね」の非公開化を実施したと、同社のエンジニアリングチームの公式Xアカウント(@XEng)が発表。
これにより、他のユーザーの「いいね」タブが見られなくなり、他人のポストについた「いいね!」も、誰がそれをつけたのか分からなくなりました。

誰がどの投稿に「いいね」をしたか見えるのは、「いいね」をした本人とその相手に限られるようになり、好みの投稿に多く「いいね」を押すことで、自動でおすすめされる投稿の精度が向上すると呼び掛けています。

いいね非公開の理由

なぜXは「いいね」を非公開化したのでしょうか。
原因として考えられるのは、プライバシーやトラブルを心配するユーザーの『いいね控え』です。

過去のコラムでもご紹介したように、不適切な投稿に対して「いいね」を押した場合、訴訟やトラブルに発展するケースもあります。
代表的なのが、自民党の杉田水脈衆院議員が、ジャーナリストの伊藤詩織さんを中傷する投稿に「いいね」を押したことで、名誉感情を傷つけられたとして提訴された事案です。

過去コラム:「いいね」だけでも賠償責任?

また、24年3月には、インナーウエア大手「アツギ」のX公式アカウントが、複数の女性蔑視的投稿に「いいね」を押したとして炎上しています。

このようにリポスト(再投稿)機能だけでなく、「いいね」でも問題に発展する事例が増えたこともあり、特に影響力の強い著名人をはじめとして、「いいね」に慎重になるユーザーは増えていました。

Xにはユーザーの滞在時間や満足度を高めるため、「いいね」を押した投稿の傾向を解析し、好みに合った投稿を「おすすめ」する機能があります。ただ、「いいね」を巡るトラブルやプライバシーの露出を嫌がるユーザーが増えると、こうしたアルゴリズムが有効に働かなくなる可能性があります。

今回の非公開化はそういった背景もあるのではないでしょうか。

ユーザーへの影響

いいね非公開を受け、ユーザーからは様々な意見が飛び交いました。

例えば、自分と趣味の合う人の「いいね欄」から良質な投稿を探すことができなくなったり、あるアカウントが最近の投稿に「いいね」をしているか確かめることで、安否確認することができなくなる、といった意見もありました。
実際、13日には「Twitter改悪」といった関連ワードがXで次々とトレンド入りしています。

その一方で、自分の好みが他人に見られることを嫌うユーザーは、「これからは心おきなくいいねを押せる」との意見もありました。

また、ある一部のユーザーはこれまで通りに「いいね」したユーザーを見ることができるツールを公開。1万いいね近くの拡散が集まる事態となりました。

まとめ

いいね非公開から1週間足らずですが、Xアカウントを運用する企業の立場からすると、炎上防止にも繋がる良いアップデートだったのではないでしょうか。
とはいえ、Xの方針が変われば、「いいね」が再び公開される可能性もあります。
今後どうなるかわからない、ということを念頭に置いて、企業の担当者はXを運用する必要があります。

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