急に自社サイトが消えちゃった?DMCAの悪用被害とは
2024/11/08
SEO基礎知識
ある日、Googleから自社サービスのサイトが検索しても出てこなくなる。
おかしいと思って調べると、特定のライバル企業以外の他社サービスサイトも全てなくなっていて、自社への問い合わせがめっきり無くなった。
これは実際に海外で裁判にも発展した、DMCAを悪用された被害例です。
今回はDMCAの悪用により起きる被害と、その対策についてご紹介します。
DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とは
DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とは、2000年10月にアメリカで施行された連邦法で、インターネットにおける著作権の侵害から著作権者を守るための法律です。
インターネット上の著作権に関する基準のような法律で、盗用などの悪質な著作権侵害問題への削除申請などの対応について規定されています。
アメリカの法律と聞くと日本にいる私たちにはあまり関係ないように思えますが、GoogleやFacebookなどの世界的なインターネット大企業はほとんどがアメリカの企業のため、著作権侵害などがあった場合は、我々もこの法律を利用してGoogleなどに削除申請などを行うことができます。
Googleに対してDMCAの申請が通ると、申請した内容がLumen(https://lumendatabase.org/)というサイト上に公開されます。申請対象サイトのURLやどのように著作権を侵害しているのかといった申請内容だけでなく、申請者名もLumenを通じて全世界に公開されます。
申請が認められ、Googleのインデックスから申請対象サイトが削除されると、いかなる検索キーワードで検索しても結果に表示されなくなります。
実際にサイト自体が削除されるわけではありませんが、Googleの検索結果画面に表示されなくなるため、対象サイトへのアクセス・閲覧は一般ユーザーにはできなくなります。
代わりに、問題のサイトにかかわるキーワードの検索結果の最下部に、削除されたことを示す文章とLumenへのリンクが表示されるようになります。
ちなみに、DMCAが制定されてから現在までに、Googleには約97億件もの申請が行われているそうです。
DMCAの悪用による被害例
DMCA申請の大半は正当なものですが、中には「申請したコンテンツがほぼ自動的に削除される」という特性を悪用して、競合他社のサービスを申請し、相対的に自社サービスの検索順位を向上させようとする悪質なものもあります。
Googleが提訴
2023年11月にGoogleはDMCAを悪用してライバルのウェブサイトをGoogleの検索結果から削除させたとして、計22名をカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提訴しました。
裁判によると、被告らは少なくとも計65個のGoogleアカウントを作成し、11万7000件以上のウェブサイトのURLに対して、DMCA違反と偽って悪質な削除申請を行っていました。
Googleは、「被告らの不正な削除要求によって、検索広告に年間数十億円規模の広告費を支払っている顧客のウェブサイトのトラフィックは2022年のホリデーシーズン中に激減し、顧客は500万ドル(約7億5000万円)以上の収益損失を被りました。Googleも200万ドル(約3億円)から300万ドル(約4億5000万円)の損失を被りました」と報告しています。
2024年9月27日に裁判所は、被告らのDMCA申請が虚偽であったことを認め、被告らが今後虚偽の削除通知を送信することを禁じる判決を下しました。
悪用への対処方法
本来は問題がないページであるのに、侵害申請を出された場合どのように対処すればいいのでしょうか。
その対処方法としてGoogleサーチコンソールからの異議申し立てがあります。
何らかの訴えによって、自分のサイトから特定のURLが削除された場合、Google サーチコンソールに登録していれば、メールに「DMCAに基づくGoogle検索からの削除のお知らせ」といった題名で通知が届きます。
心当たりがないのにも関わらずこの通知が届いた場合は、すぐに異議申し立てを行いましょう。
Google側が調査し、問題ないコンテンツであった場合、一度消されたサイトでも検索結果に復活することができます。
まとめ
こうしたインターネット上のトラブルは、気づかぬうちに被害を被っている場合もございます。
インターネット上のトラブルなどでお困りの場合は、ライフデザインまでご相談ください。