悪評記事を削除したい!必要な手続きとは?
2021/12/06
基礎知識
ネット上で名誉毀損、誹謗中傷の書き込みをされたらどう対処すれば良いのでしょうか?
今回は弁護士に依頼して手続きを行う、「仮処分」についてまとめました。
仮処分によって記事は削除することができる
ネット上で名誉毀損、誹謗中傷の書き込みをされたら運営側に直接申し立てを行う方法とは別に、「仮処分」によって削除申請をすることが可能です。
ただ仮処分は裁判所を使った手続きであり、弁護士のような専門の知識を持った人が対応するものになります。
そのため、手続きには時間が掛かりますが、仮処分命令が下りればネット上にある記事は削除することができます。
ではそもそも「仮処分」とはどのような手続きなのでしょうか?
これは、権利を守るために緊急性を要する場合において、裁判をする前に裁判所で一定の判断をしてもらうための手続きです。
原則的に、何らかの権利を実現するためには裁判をしなければなりませんが、裁判には非常に時間がかかります。
確定するのを待っていたら権利が害されて取り返しがつかなくなってしまうことも多いです。
そこで仮処分によって仮に権利や義務を実現することにより、権利を保全することができるのです。
ネット誹謗中傷のケースでも、裁判している間に誹謗中傷記事がどんどん拡散されて被害が拡大してしまうおそれがありますので、裁判している余裕はありません。
そこで仮処分によって削除命令を出してもらうことが可能となるのです。
このように仮処分は、本来引き続いての訴訟が予定されているものですが、削除命令の場合には仮処分によって本来の目的である記事削除を実現できてしまいますので、本訴訟は行われないのが通常です。
その名のとおり、「仮」の処分であり最終的な決定ではないのが原則ですが、ネット記事の削除の仮処分などは、仮処分が認められるとそれによって全ての権利が実現することになってあらためて訴訟を提起する必要がなくなるため、満足的仮処分と呼ばれています。
また仮処分命令にも強制執行力が認められるので、相手が従わない場合には強制的に削除させることも可能となります。
費用は?
弁護士に依頼する場合、申立書を作成したり証拠を揃えたりしなければなりませんし、裁判官との面接の際にも適切な対応が必要となるからです。
弁護士に依頼すると、弁護士費用がかかります。
仮処分命令の弁護士費用には、相談料、着手金、報酬金の3種類があります。
相談料
相談料は、当初に弁護士にネット誹謗中傷事件について相談したときにかかる費用です。相場は30分5000円となっています。ただし無料相談を実施している弁護士事務所もあります。
着手金
記事削除の着手金の相場は20~40万円程度です。
報酬金
記事削除の報酬金の相場も、20~40万円程度です。
仮処分の着手金、報酬金の金額については依頼する事務所によって大きく異なる可能性があるので、依頼前にしっかり確かめておく必要があります。
着手金が安くても報酬金が高い事務所や、その逆もあります。
なるべく安くおさめたい場合、複数の事務所を比較して依頼する弁護士を決めるのも良いでしょう。
まとめ
ネット上の風評被害対策は対策業者だけでなく、弁護士も活用することで被害を最小限に抑えることが可能です。
この機会にWEBリスクについてご検討してみてはいかがでしょうか。
弊社では相談料無料でいつでも受け付けております!