悪質なクチコミを止めるには?
2023/11/07
基礎知識
大手グルメサイトやコスメサイトをはじめ、ユーザーが商品や店舗サービスのレビューを投稿する場面が当たり前になってきています。
多くは第三者目線からのレビューや好意的なレビューが多いのですが、中には悪意を持って投稿されたレビューも見られます。
今回はそうした悪意を持ったクチコミや悪質なクチコミを投稿する原因や対処法についてご紹介します。
そもそもなぜ悪質なクチコミが投稿されるのか?
悪質なクチコミが投稿される理由は様々ですが、主に以下の要因が考えられます。
1.不満や怒りなどの感情的な理由
不満や怒りなどの感情を抱えている
商品やサービスに不満や怒りを感じた人は、その感情をぶつけるために悪質なクチコミを投稿するケースが少なくありません。
この場合、投稿者は口コミの削除や法的措置を恐れず、過激な表現や誹謗中傷を行ったりします。
たとえば、商品やサービスの品質が悪い、サービス態度が悪い、対応が遅いなどの不満があった場合、投稿者はその不満を口コミで訴えたくなります。
しかし、直接店舗や企業にクレームを入れるよりも、匿名で投稿できる口コミサイトやSNSの方が、自分の感情をぶつけやすいと考えられます。
また、不満や怒りが強いほど、過激な表現や誹謗中傷を行ったくなる傾向があります。これは、自分の感情を解放したいという心理が働くためと考えられます。
自己顕示欲や承認欲求を満たしたい
自分の意見や考えを周囲に認めてもらいたい、注目されたいという自己顕示欲や承認欲求も、悪質なクチコミを投稿する原因として考えられます。
この場合、投稿者は過激な表現や誹謗中傷を使って、注目を集めようとします。
たとえば、商品やサービスに対する批判的な意見を投稿することで、自分は正しいというアピールや、周囲からの注目を集めたいと考えられます。
他人を貶めることで優越感を得たい
他人を貶めることで優越感を得たいという心理も、悪質なクチコミを投稿する原因として考えられます。
この場合、投稿者は他人を傷つけることで、自分の優越感を満たそうとします。
たとえば、商品やサービスの提供者を誹謗中傷することで、自分は相手よりも優れているというアピールや、相手を屈服させたいと考えられます。
2.口コミサイトやSNSの構造的な要因
匿名で投稿できる
一つは匿名で投稿できるケースが多くあります。
匿名で投稿できると、投稿者は自分の身元を明かす必要がないため、責任を負う意識が薄れ、悪質なクチコミを投稿しやすくなります。
投稿内容の審査が不十分
口コミサイトやSNSでは、投稿内容の審査が不十分なケースが多くあります。
そのため、虚偽の口コミや誹謗中傷などの悪質なクチコミが投稿されやすくなっています。
投稿の削除が容易ではない
その他には、投稿の削除が容易ではないケースが多くあります。
そのため、悪質なクチコミを投稿されたとしても、被害者が削除を求めても、すぐに削除されないことがあります。
既存のクチコミが新たなクチコミの火種となることも
すでに悪質なクチコミが投稿されている状況を放置していると、さらに状況が悪化して手の施しようがなくなる場合があります。
「割れ窓理論」という言葉はご存知でしょうか。
割れ窓理論とは
軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論です。アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案しました。
「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方からこの名があります。
この理論によると、地域の治安を悪化させる要因は、犯罪行為そのものだけでなく、その地域が犯罪に寛容であるという印象を与える要素も含まれます。
例えば、落書きやごみなどの放置、無秩序な駐車、不法侵入などの軽微な犯罪や社会問題を放置しておくと、その地域は犯罪に寛容な場所であるという印象を与え、犯罪の温床となり、凶悪犯罪の発生率も高まると考えられます。
このように、既に悪質なクチコミが投稿されている(窓が割れている状態)を放置することでユーザーの投稿に対する心理的ハードルが下がり、更に悪質なクチコミが投稿される被害に繋がる可能性があります。
もしすでに悪質なクチコミを確認している場合はすぐに対処することが必要です。
どうすれば対処できる?
悪質なクチコミの投稿を抑制するための対処法は、大きく分けて以下の3つに分けられます。
1.サービスや商品の改善
まずはなぜ悪質な投稿がなされたのか、投稿のフィードバックを行い、サービス・商品の改善に繋げることでそれ以降の評価を向上していくことも対処法として挙げられます。
2.投稿されたクチコミへの対応
もし返信対応などが可能な場合は投稿されたサイトへアクセスし、誠意をもって対応することが重要です。
返信を行う際の注意点としては、以下のポイントが挙げられます。
●感情的な返信をしない
●逆撫でをするような書き方はしない
返信対応のほかには、サイト運営者に対して削除申請をする方法も有効です。
削除を依頼して悪質なクチコミを削除することで、なるべく多くの人の目に触れさせないようにすることが重要です。
3.法的措置を講じる
悪質なクチコミの投稿が、名誉毀損や侮辱などの犯罪に該当する場合は、法的措置を講じることもできます。
法的措置を講じることで、悪質なクチコミの投稿を抑止し、名誉や信用を回復することができます。
まとめ
悪質な投稿をしたユーザーの多くは責任感や罪悪感が薄れ、攻撃的な心理状態にあります。
しかし、被害を受けた企業や個人がそれに対して感情的に反応したり、仕返しをしたりすることは、時に法的な問題に発展する可能性があるため適切とは言えません。
もし被害を受けた場合、感情的にならず、まずは冷静に対処することが大切です。
また、実際に損害が生じた場合は正当な措置を検討し、上記のような適切な対応を取る必要があります。