炎上したのにイメージアップ?実例から学ぶ炎上の正しい対応とは。
2024/09/23
基礎知識
万が一の炎上、皆さんは対策できてますでしょうか。
今回は、炎上を上手く対応した例や、逆に企業のイメージアップに成功した例を挙げながら、企業が取るべき炎上への事前準備と対応策について解説します。
炎上とは
皆さんは「炎上」と聞くとどのようなイメージを持たれますか?
本来は炎が燃えあがることを指す単語ですが、今ではインターネット上の不祥事などに対してバッシングが多く集まることを指すようになりました。
炎上という単語は社会的にも広く認識されており、たとえば「デジタル大辞泉」では、2009年の時点で炎上という語の3番目の意味として、「(比喩的に)インターネット上のブログなどでの失言に対し、非難や中傷の投稿が多数届くこと。」という記載があります(※1)。
総務省が出している情報通信白書では、インターネット上の炎上について、「ウェブ上の特定の対象に対して批判が殺到し、収まりがつかなさそうな状態」、あるいは「特定の話題に関する議論の盛り上がり方が尋常ではなく、多くのブログや掲示板などでバッシングが行われる状態」と定義しています(※2)。
本コラムでも、過去に企業のSNS炎上問題について取り上げていますが、今ではニュースを見ていても、1ヶ月に一度は「炎上」という言葉を聞くようになるくらい、身近な現象としてその意味が社会に定着しています。
参照:過去コラム「企業のSNS炎上問題 対策できない原因は?」
炎上の実例
飲食店における炎上例
・まるか食品
まるか食品が製造するソース焼きそば「ペヤング」に虫が混入していたという投稿がSNSで拡散され炎上しました。
当初は投稿者を疑うような意見も多かったのですが、まるか食品の担当者が該当投稿者を訪問し返金対応を行った際にツイートの削除を求めたことが露見し、隠ぺい工作ではないかと、まるか食品側が批判の対象になります。
さらに、まるか食品は当初「製造過程での混入はない」と断言していましたが、外部機関により、製造過程での混入が濃厚との判断が下され、大炎上に繋がりました。
これは初期対応のまずさが炎上を悪化させてしまった代表例です。
・大阪王将
過去コラムでも取り上げたことのある問題ですが、2022年7月に「大阪王将仙台中田店」の元従業員を名乗る人物が、厨房に大量のナメクジやゴキブリが発生していることや、食品の不衛生な管理実態などをツイッター(現X)上で告発したのが事の発端です。
この投稿は瞬く間に拡散され、保健所が立ち入り検査に入るという騒動に発展しています。
参照:過去コラム「大阪王将のナメクジ問題…バイトテロ問題…なくならないSNS炎上に対する対応策は?」
この炎上によって、「大阪王将」は店の運営会社とのフランチャイズ契約を解除し、店はその後、閉店することになりました。
企業の担当者による炎上
ある企業の人事担当者が個人のSNSアカウントで「金銭や待遇を重視して会社を選ぶ人とは働きたくない」という内容の投稿を行い、批判が相次ぎ炎上しました。
ネットでは「ブラック企業のようだ」「給与を重視することの何が悪いのか」といった声が上がり、企業のイメージにも悪影響を与える結果となっています。
こうしたアカウントは、通常、企業の認知度を高め、採用活動に役立てることを目的に運用されています。
しかし、今回の事例では逆効果となり、企業のブランドイメージにダメージを与えてしまいました。
炎上対応の成功例
炎上に対してしっかりとした対応ができれば、炎上のダメージを軽減するだけでなく、企業イメージを向上させられるかもしれません。
ここでは成功例を3つご紹介します。
・チロルチョコ
チロルチョコに虫が混入していたとSNSで投稿され、ネットで話題となりました。
投稿は混入画像が添付されており、その見た目のインパクトから瞬く間に拡散されました。
チロルチョコ社側は即座に原因究明に動き、投稿から約3時間後には製造過程以後に混入したものであると公式の見解を発表しました。
害虫の侵入についての詳しい説明も行ったことで、結果的に炎上は短時間で収束しました。
・ローソンHMVエンタテイメント
ミュージカルの新作公演の当選チケットを、ローソンチケットに無断でキャンセル扱いにされたとする投稿が炎上した事例もあります。
炎上を受けて、ローソンチケットを運営するローソンHMVエンタテイメントは、投稿者と直接コンタクトを取り調査を行いました。その結果、実際には入金はされておらず、入金後のキャンセルがなされた、という事実もなかったことを確認したと、投稿から僅か4日後に発表しています。
他の利用者の不安解消のために早期原因究明を行った点と、虚偽の投稿をしたユーザーに法的措置は取らないという判断が、ローソンHMVエンタテイメントを高く評価する結果となりました。
・龍角散
オリンピック元日本代表の選手が、問題の成分を含まないにもかかわらず龍角散ののどあめをドーピング違反の「禁止薬物」と誤ってSNSに投稿し、炎上した事例があります。
龍角散側は、この炎上に対して即座に訂正情報を公開し、迅速に事後対応を取りました。
さらに、誤った情報を拡散してしまったとして謝罪に訪れた選手に「将来有望な選手。これからもあなたを応援していく」と述べたとされています。
これがネットでは「神対応」と評価され、イメージアップにつながる投稿・コメントが多く寄せられました。
炎上対応はスピードが命
いずれの成功パターンにも共通しているのは、初動が早いことです。
炎上の原因を素早く把握し、公式サイトや公式SNSアカウントにて適切な対応をとることで、憶測によって炎上が拡散されてしまうことを防いでいます。
また、炎上対応の早さは企業としてのリスクヘッジの能力が高いと評価されるため、ステークホルダーに対しても有効なアピールになります。
また、今回提示したケースでは、誤った情報やねつ造・虚偽の情報を投稿した加害者を責めることなく、寛大な対応を取ったことも、企業のイメージアップに繋がっています。
もちろん、加害者に対して「法的責任を追及する」と強く明言したことで、企業としての責任感が高く評価されたという事例も存在するため、状況に応じて柔軟に対応することが最も重要になります。
素早い対応には事前の準備が必須
とはいえ、炎上に素早く対応するには、そもそも炎上が起こったことを即座に把握する仕組みを作ることが必要になります。
インターネット監視サービスは、その手助けをする重要なツールです。
この機会に一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
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